Live In Chicago / King Crimson

Live In Chicago / King Crimson
つい先日『Live In Vienna』が出たばかりなのに、殆ど間髪入れずにリリースしてきやがってどう云うことだ、とつい突っ込んだ。お陰で元々日本先行発売だったウィーン公演の方は海外リリースが止められ、下手をすると結果的に日本限定になりかねない状況になっているらしい。
しかしフリップなら強く言うだろう。どちらも全く異なるカタログだと。同じに聴こえるのならそれはお前の貧しい芸術的解釈の証左だと(自分がその批判の対象に含まれるとしても固定化された演目に関しては重箱の隅ぐらいの違いしか解釈する気は無いけどな)。まあ実際に違うと言えば違う。カタログ都合で言えば一般リリース向けとKCCC Special Editionとの相違、本作は2017年6月28日公演の比較的新しい内容、ビル・リーフリンが完全に鍵盤担当になった、演目が増えた等々。とは言え、最大の理由としてはフリップの「ラヴレターの書き殴りの体を成した前線からのリポート」「(リリースすべき)ライヴ音源を探しているのならシカゴ公演が異例だった」発言であり、結局お前の都合やんか、と云う何時もの様式美に落ち着く。ブックレットにもフリップとシングルトンの言い訳がいっぱい書かれているので購入者は目一杯楽しむように。

そう云う訳で今回は、トニー・レヴィンも「ベストの内に入る」と評した2017年版の音源。ヴォーカルパートは殆ど抜け落ち、ダブルトリオの時期とは対照的にジャズ・オリエンテッドなスタジオ盤に寄った「Neurotica」、ジャッコとギャビンが関わった時点で大方カンタベリー系とフュージョンを合わせた雰囲気になるだろうという予想を地で行く新曲「The Errors (Radical Action III)」、更に増えて合体した「The Lizard Suite(Dawn Song/Last Skirmish/Prince Rupert's Lament)」が新たに追加された演目になっている。更にこちらでも触れたまさかの「Islands」に加え、『Red』からの「Fallen Angel」が公式初の演奏となる。ヤマ場のギターソロの箇所に勢いは無いが、全体的にはアンサンブルの厚みを活かした、スタジオ盤に匹敵する出来になっていた。

あと残る70年代楽曲の内、現行編成で復活再現させやすそうなのは「In The Wake Of Poseidon」「Happy Family」ではないかと予想している。

 

DGMLiveで公開されている音源をリンク。mp3であれば無料DL可。

Fallen Angel
https://www.dgmlive.com/tour-dates/2065

Islands
https://www.dgmlive.com/tour-dates/2064

 

 

 

 

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