Drum Suite / Art Blakey & The Jazz Messengers
ブレイキーと言えばハードバップの名作『Moanin'』が一番有名だけど、ドラマーとしてならアフロジャズ系のこれ。
…というぐらいにはメジャーなブレイキー作品と思いきや、オビに2014年国内初CD化と書かれていて素で驚いた。レイ・ブライアント作の「Cubano Chant」なんかは当時結構ウケた筈なので、出ていておかしくはないんだけどなあ。よくあるジャズ1000円リマスター盤なのに吃驚。
他のブレイキー作品と比べてちょっと面白いのは、内容。Percussion Ensembleとして「The Sacrifice」「Cubano Chant」「Oscalypso」、The Jazz Messengersとして「Nica's Tempo」「D's Dillemma」「Just For Party」「Lil'T」「The New Message」といった風に、前後編で綺麗に内容と傾向が分かれている。ジャズでこれだけのアフロキューバンスタイルを全面に打ち出すことは(最初だし)宜しくないとして手控えたのだろうけど、結果従来通りのハードバップとしてのブレイキーも楽しめるセルフコンピ的作品という形になったのが味わい深い。ジャズ警察(50~60年代のジャズ本流以外に認めない人達。日本のみならず全世界に生息)はこれをどう捉えているのだろうなあと思いつつお勧め。
Art Blakey And The Jazz Messengers - Cubano Chant (1957)
Art Blakey And The Jazz Messengers - The Sacrifice
Art Blakey & the Jazz Messengers - Moanin'
CMやら何やらで死ぬほど使われてるので誰しもこのイントロは聴いたことはあるかと。